山桜ひと枝をモチーフとして、咲き始めの初々しい姿を鉄で表現しました。
アトリエの隣に大きな山桜があり、毎年春の楽しみとなっています。
山桜はソメイヨシノに比べて少し地味な印象がありますが、花そのものは負けず劣らず華やかなので、花そのもを味わえるようひと枝として作りました。
ベースを含めてすべて鉄の作品です。
- OKP-144
- サイズ : w300 d200 h380
- 素材 : 鉄
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プレートに四角く切り取られた窓から山桜がひと枝覗いているような作りです。
フラットなプレートの表情と、有機的に作り込んだ枝は、同じ鉄でできていながら対照的な印象です。
プレートは2枚重ねて空間的な厚みを出しています。
桜と梅と桃は、花の形がかなり似ています。
違いは、桜の花びらは先端が割れており、梅は丸く、桃は尖っています。桜なので、割れた表現になっています。
それから、枝から少し花軸が長いですよね。梅桃はもう少し枝に近く花がつきます。
桜の花 花をGoogle検索
桜の花
梅の花 花をGoogle検索
梅の花
花、葉ともに、面で表現するものと線で表現するものを混在させました。
線の表現を入れると、風で揺れた時の残像を感じられると思っています。
花弁は一枚一枚丁寧にハンマートーンで表情を持たせ、咲き具合にも変化をつけています。
花は線の表現になると、記号的な雰囲気になる気がしますね。
花弁以外の作りは同じですが、ずいぶん違った印象になると感じます。
プレートの仕上げです。
黒い色味は塗料ではなく、鉄の表面を黒焼したものです。
桜の枝は真鍮プラしで磨き込んでいるので、若干黄色くなっており、同じ鉄でも仕上げで全く違う表情を見せるものです。
いつもながら、「鉄の色」は何色なのかなと思わされます。
ただ、この色味質感の違いは、ソコソコ明るいところでないと分かり難い繊細な表情なので、設置場所によっては感じ取り難くなってしまいます。
花は散るからこその花であり、中でもその散りざまで印象的なのが桜だと思います。
そんな桜の記憶を、散らない鉄の桜が留めています。
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